中田島砂丘には豊かな植生があります。
海浜地区ばかりでなく、塩害や飛砂、風などから住環境を守るために作られた保安林にも多くの植生が見られます。

ハマダイコン

アブラナ科 消化促進、抗炎症、抗酸化、鎮咳、殺菌

春先に淡いピンクの花を咲かせる。利用部位は根、花、種子、葉花の咲く前の根っこを掘って薬味にするとよい。花はサラダに散らすなど。

ハマボウフウ

セリ科 解熱、鎮痛、排膿、健胃

生薬名 北沙参ホクシャジン 利用部位は根、葉、茎刺身のつまにしたり酢味噌和え、料理のあしらいに。

ハマヒルガオ

ヒルガオ科 花期は5~8月ピンクの花を咲かせる

北海道から沖縄まで広く海岸に分布する砂浜に大群落を作る代表的な海浜植物。

ハマニガナ

キク科 別名ハマイチョウ

砂浜の中で地下茎を伸ばして増える。花期は4月~10月と長い。
黄色い花をつける。北海道から沖縄まで広く波打ち際に近い砂浜に分布。名前の通り苦みがある。

ハマヒサカキ

モッコク科 常緑小高木 別名イソシバ

潮風や乾燥に強いことから海岸近くの街路樹などに用いられる。
10月~12月にかけて白い花を咲かせる。葉の根元にずらりと下を向いて並んで咲き、黒い実をつける。花はプロパンガスのような独特な臭いがするのが特徴。

シャリンバイ:車輪梅

バラ科

枝の分岐する様子が自転車のスポークのようで、花が梅に似ることから。花期は4~6月、実は10月~11月に黒紫色の1cmほどの梨のような実をつける。
利用部位は葉と根。葉を煎じて潰瘍や出来物に塗布。根っこを煎じて飲むと打撲や古傷の痛みに良いとされる。
樹皮は煮出して大島紬の染料として使われてきた。

トベラ

トベラ科 東北地方南部以南の海岸に多く自生。常緑低木。雌雄異株。

生薬名 海桐カイドウ 乾燥させた葉を煎じて寄生性の皮膚炎や解毒、鎮痛に。
花期は5月頃。白い花を咲かせる。実は10月~11月頃、熟すと3裂し赤い粘着質の種が出てくる。それが鳥のくちばしにくっ付いて運ばれる。
枝葉を切ると悪臭を発するので、節分に魔除けとしてイワシと一緒に戸口に掲げられたことから扉の木と言われ、そこからトベラの名がついた。

ヤブニッケイ

クスノキ科 常緑高木。日本野生種唯一のシナモン。和のシナモン

シナニッケイやセイロンニッケイに比べると香りは柔らかくマイルド。
葉はお茶や料理に使うことができる。かつては薬や香料としても使われた歴史がある。
利用部位 樹皮、葉  糖尿病予防改善、健胃、解熱、鎮痛
見分けは葉っぱの3行脈。3行脈の特徴を持つ同じクスノキ科のシロダモとの見分けは、シロダモは細長い葉でペラペラしていて芳香が薄く葉の裏が真っ白であること。

ジャノヒゲ

別名リュウノヒゲ キジカクシ科

利用部位 根っこの肥大部分
近年庭のグランドカバーなどにも使われていることも多く、身近にあって意外と知られていない生薬。

ナルトサワギク

キク科 マダガスカル原産の帰化植物。

開花は一年中で風に乗って種が飛散し、近年日本の海岸付近に大繁殖し生育地が拡大中。
全草にアルカロイド(毒)を含み、家畜がこれを食べて死亡したケースも。
在来植物を駆逐する危険性が大きい特定外来生物。

アオツヅラフジ

ツヅラフジ科 つる性落葉木本。

夏に淡い黄色い花をつけ、秋にブドウのような実をつける。
ブドウのようで美味しそうだが有毒植物であるので要注意!
名の由来は、青(アオ)はつるが緑であること。ツヅラはもともと籠を編むために用いられていたことから。
つるや根は木防巳(モクボウイ)という生薬だが、有毒植物であるため素人の使用はNG。
種がアンモナイトのような形をしていておもしろい。